温泉廃熱リサイクル -あふれた湯ためて冷暖房-

2010 年 2 月 11 日

2010年2月11日  読売新聞)

 小野川温泉(米沢市)の「鈴の宿 登府屋(とうふや)旅館」(遠藤章作社長)は、これまで無駄になっていた湯船からあふれた湯を「ヒートポンプ」という熱の移動装置で冷暖房などに活用するリサイクルシステムを始めた。同旅館やヒートポンプのメーカーによると、東北地方で初の取り組み。冷暖房などに使用していたボイラー燃料の灯油が不要になり、年間58トンの二酸化炭素(CO2)削減が見込める。“温泉王国”の山形だけに、各地の温泉施設で同様のシステム導入の動きも加速しそうだ。

 同旅館は1910年創業の老舗で、5日に100周年を迎えた。節目の年を記念し「環境に配慮した新システムの導入を」と、遠藤社長の長男、直人さん(33)が昨夏以降、インターネットなどで温泉熱の活用法を調べ、導入を決めた。直人さんらは、取り組みを、経済産業省などが進めるCO2の国内クレジット制度に申請。「県内初の認証を目指したい」と話している。

 同旅館の大浴場は、男湯と女湯にそれぞれ内湯と露天風呂がある。熱活用に使うのはそれぞれの内湯からあふれた湯。1日で約5万リットル、年間では約2000万リットルに達する計算だ。

 今回、源泉かけ流しであふれた40度前後の湯をためる排湯槽2基を新たに屋外に設置。その熱を建物内に設けたヒートポンプで効率的に移動させ、冷暖房やシャワーの給湯に有効活用する。システム導入のための費用は約1550万円。

灯油節約年174万円 これまで使っていたボイラーは撤去し、年間約29トン使用していた灯油代(約174万円)が節約できる。新たにかかる電気代は年間約54万円で済み、環境省の補助金も支給されるため、導入費用は約9年で回収可能と見込んでいる。CO2排出量は、導入前と比べ4割減となる。

 ヒートポンプを製造するゼネラルヒートポンプ工業(本社・名古屋市)によると、同様のシステムを導入済みの旅館は全国で約30施設。東北地方では初めてだという。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20100210-OYT8T01450.htm

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