地中熱・地下水熱・温泉排湯・空気などの“再生可能エネルギー熱”を熱源としたヒートポンプ製品で「持続可能な社会の実現」を目指します。

2023/04/07

ゼネラルヒートポンプ工業株式会社らが令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術部門)を受賞

ゼネラルヒートポンプ工業株式会社の代表を務める社長の柴芳郎は、この度令和5年度文部科学大臣表彰(科学技術賞)を受賞いたしました。株式会社ウォーターテクノカサイの代表を務める笠井庸三社長との共同受賞です。令和5年4月19日表彰式の様子はオンラインでライブ配信されます。これからも本受賞を励みにヒートポンプシステムの開発に務めてまいります。

<業績の名称>   透析熱回収ヒートポンプシステムの開発

<推薦機関>   公益財団法人中部科学技術センター

<業績の概要>

 ヒートポンプによる再生可能エネルギー熱利用は省エネルギーに寄与する技術であり、化石燃料を燃焼せず、少ない電力で大きな熱量を移動して利用することができるため、二酸化炭素排出量も低減できる技術である。ゼネラルヒートポンプ工業株式会社では、今までも地中熱や温泉排湯利用システムを多数納入しているが、これらは主に業務用建物への空調・給湯用途である。今回推薦する業績は、今まで未踏であった医療分野でのヒートポンプによる排熱回収を適用した製品である。株式会社ウォーターテクノカサイの笠井社長はろ過型人工腎臓及びデバイス、透析用水処理設備開発、水処理装置開発などを多数発明してきており、透析治療に関わる装置のスペシャリストである。ゼネラルヒートポンプ工業株式会社の代表でもあり技術者でもある柴と笠井社長が出会い、それぞれの知見を融合することにより透析熱回収ヒートポンプシステムを実現させた。

 腎臓の機能が低下した患者に対して自身の腎臓の代わりに人工腎臓のフィルター(ダイアライザー)を介して血液から老廃物・余分な水分を取り除くという人工透析という治療がある。水分を入れ替える必要があるため、新しい水道水が必要であり、従来はそれを電気ヒーターやボイラーで加熱し、ろ過して利用していた。当製品は、透析治療で発生する排水の熱をヒートポンプで移動(熱回収)して水道水を加熱する機械装置であり、大幅な省エネ、省CO2、省ランニングコストを実現する。

 

透析熱回収ヒートポンプ Smart E System 

これまで透析治療後に廃棄していた加熱された透析液排水等の熱を有効活用して省エネを実現する透析熱回収ヒートポンプシステムです。

透析治療で消費される電力エネルギーの多くは、透析液を加熱する電気ヒーターや、RO装置(逆浸透膜純水装置)によるものであり、この透析排水(約33°C)やRO水製造時の凝縮水の熱(27°C)をヒートポンプで回収することによって電力料金を年間平均約74%削減の実績があります。排水熱交換器、ヒートポンプ、原水タンクをコンパクトにユニット化しているため屋内外での設置が可能であり、また「間接熱交換方式」を用いることによって回収できる熱量が多くなると共に、排液と原水が混ざり合う危険がなく、衛生面でも優れています。

透析熱回収ヒートポンプシステム Smart E SystemⓇ

文部科学大臣賞 とは

文部科学省では、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって 我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とする科学技術分野の文部科学大臣表彰を定めています。

<科学技術賞> 技術部門

中小企業、地場産業等において、実際に利活用(売上実績が過去 3 年間)され、科学技術の開発・育成に顕著な功績を上げた成果に対する表彰  

 

■文部科学省ホームページ

[令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者決定] 

[令和5年度 科学技術賞 受賞者一覧] P17 NO6

 

2023年4月11日号 中部経済新聞 受賞記事掲載

<記事原稿>

ゼネラルヒートポンプ工業の柴社長 文部科学大臣表彰を受賞 透析熱回収ヒートポンプの開発で

業務用ヒートポンプ製造のゼネラルヒートポンプ工業(本社名古屋市中村区)は7日、柴芳郎社長が、透析治療における排水熱を利用した「透析熱回収ヒートポンプシステム」の開発で、「令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞・技術部門)」を受賞したと発表した。

透析熱回収ヒートポンプシステムは、2013年ごろから開発に向けた取り組みをスタート。これまでに約30件の導入実績がある。

透析治療における電力の多くは、原水を温めてろ過する「RO装置(水処理装置)」や透析装置で行われる加温の際に消費される。透析治療で使われる多量の透析液は人肌温度にヒーターで制御され、治療後は捨てられるが、同システムは、RO装置から出る排水や透析排水の熱を回収し、ヒートポンプの熱源に利用する。

今回、透析用水処理装置開発などを手掛けるウォーターテクノカサイ(本社東京)の笠井庸三社長との共同での受賞となった。

科学技術賞・技術部門は、中小企業や地場産業などにおいて、地域経済の発展に寄与する優れた技術を開発した者が対象。柴社長は「受賞を励みに、これからもヒートポンプの開発に努めていきたい」と話している。