地中熱・地下水熱・温泉排湯・空気などの“再生可能エネルギー熱”を熱源としたヒートポンプ製品で「持続可能な社会の実現」を目指します。

|2022年2月1日 HVAC&R JAPAN2022特大号|

空調タイムス掲載記事

空調タイムス HVAC&R JAPAN2022特大号にゼネラルヒートポンプ工業㈱の記事 ”メード・イン・アイチ”の高効率水冷ヒートポンプを公開/低GWP対応で再エネ熱利用について掲載されました。

地中熱利用促進協会『地中熱で省エネ空調』訴える/新パンフレットで多彩なメリット列挙 の記事も掲載されました。

是非ご覧いただけますようよろしくお願いいたします。

<記事原稿>

ゼネラルヒートポンプ工業(社長=柴芳郎氏、本社・愛知県名古屋市中村区名駅2―4514、通称・ZQ®)は「HVAC&R JAPAN2022」で〝メード・イン・アイチ〟の新型ヒートポンプ(HP)を公開する。1月に発売したユニット型高効率水冷式HP「ZQスーパー(ZQS)」シリーズだ。同社従来機と本体サイズを同等にとどめながら大容量・高効率を実現。再生可能エネルギー熱も有効利用できる。冷媒にR410Aを採用した機種とともにR410AよりもGWP(地球温暖化係数)が大幅に低いR454B採用機を2022年1月に同時発売した。R454B採用の高効率機種はZQが開発・製造してきたHP開発史上最高効率に達する。同社はHVAC&R展で実機を展示し、詳細な仕様を明らかにする。

R410A採用のZQSシリーズは同社従来機と比べ1モジュール当たりの冷暖房能力が約1・5倍に向上。冷房専用機、暖房専用機、冷暖兼用機の3種類がある。いずれも一つの冷媒系統を搭載した「シングルタイプ」には高効率機(冷房能力80㌔㍗)、標準機(同72㌔㍗)、高効率機(同60㌔㍗)の3機種を用意した。二つの冷媒系統を搭載した「ダブルタイプ」にも高効率機(冷房能力160㌔㍗)、標準機(同144㌔㍗)、高効率機(同120㌔㍗)の3機種を用意し、計18機種のラインアップ。これらをモジュール連結することによりさらなる大容量化が可能。柴社長は「制御盤も一体化可能としており、オプションとしてポンプ、熱交換器、タンク、ヘッダーなどの周辺部品、計装システムまでを包括したパッケージシステムとして提供することができる。水冷式の特性を生かし、地中熱、地下水熱、温泉排湯熱、下水熱など再生可能エネルギー熱を利用した空調・給湯・加温・暖房・冷房・冷却システムを構築することも可能」と話す。

ZQSシリーズの開発は、愛知県が産業空洞化に対応するため研究開発・実証実験を支援する「2020年度新あいち創造研究開発補助金事業」の交付を受け、ZQが東海国立大学機構岐阜大学の協力を得て研究開発を進めてきた活動成果の象徴。愛知の県政による開発支援と、愛知ブランド企業に認定された愛知県に根差した地元のHPメーカーであるZQの技術が生んだ〝メード・イン・アイチ〟のHPと言える。

同社はZQSシリーズの開発段階から低GWP冷媒の採用を想定した設計を施し、進化系モデルの青写真を描いていた。前記の18機種の冷媒はいずれもR410Aだが、同時発表したモデルにはR454Bを採用する。R410A採用機と同様に18機種そろえ、合計36機種のラインアップとなる。冷媒を2種類から選択できる。

R454BのGWPは466で、低GWP冷媒に位置付けられる。R410Aが持つ冷媒性能に匹敵した優れた能力をもち、効率はR410Aを上回る。圧縮機と冷凍機油は同じ物を使用しており将来的な冷媒のリニューアルも可能である。ZQSシリーズは環境性、効率、低コストなど、顧客が重視する要求事項に即して最適な機種を選定できる。

JIS B 8613:2019条件下での性能評価でR410A採用の高効率機は冷房COP4・6、暖房COP4・4。R454B採用機は冷房COP5・3、暖房COP4・7。R454B採用の高効率機の性能はZQのHP開発史上最高効率を達成している。同社は今後、空水冷式の追加機種の製品化も目指すという。

 ZQはこれまでHVAC&R展に他の企業との共同出展でHPを展示したことはあるが、単独での出展は今回が初めて。柴社長は出展を決めた動機について「当社も創業37年に至り昨年12月にはHP納入件数が累計1千件を超えた。空調・冷熱業界の中でも実績が積み上がってきた認識がある。当社の事業内容は2050年カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に向けた国策とも相通じる。こうした上昇気流の中で国内最大級の業界展示会である『HVAC&R JAPAN』に出展し、自社のブランディングを確かなものとしたい」と語る。

 自社ブースのキャッチコピーは「その熱、見捨てちゃうの?」「その熱+ZQ=CO2削減」。ブース内で再エネ熱を利用するHPの象徴的な機種としてZQSシリーズの実機を展示する。HP技術をコアとし、地中熱、地下水熱、温泉排湯熱、下水熱、太陽熱などの再生可能エネルギー熱や廃熱、温度差エネルギーなどの未利用熱を生かす製品情報も多数発信する。

具体的には、空気熱、太陽熱、地中熱を水熱源として利用する天空熱源HP「スカイソースヒートポンプ®」、海水淡水化熱源給湯ヒートポンプ、熱源周辺機器をユニット化した地下水熱交換ユニット、さらに排熱利用における個性的な着眼点で開発した透析病院向けの透析熱回収HPシステム「スマートEシステム®」などをパネル展示で紹介。再生可能エネルギー熱や未利用熱を有効活用し、省エネルギーと脱炭素に貢献する自社の企業姿勢を示していく。