地中熱・地下水熱・温泉排湯・空気などの“再生可能エネルギー熱”を熱源としたヒートポンプ製品で「持続可能な社会の実現」を目指します。

2023/7/7

空調タイムス 2023年6月21日号に弊社記事が掲載されました

~ZEB&節電特集~
再エネ熱利用ヒートポンプ、ZEBで実績 
EMS支援など広範業務にも対応

 

再エネ熱利用HPZEBで実績

EMS支援など広範業務にも対応

<記事原稿>

ゼネラルヒートポンプ工業(社長=柴芳郎氏、本社・愛知県名古屋市中村区名駅2-45-14)は地中熱、地下水熱、温泉熱など再生可能エネルギー熱(再エネ熱)を利用する業務用ヒートポンプ(HP)の開発技術力を有し、再エネ熱利用HPZEB案件に納入した事例を多数抱える。顧客要求に対し、専用設計やカスタム対応で応えるHPの提供に加え、各種負荷計算に対応した空調システムの提案、制御盤を自社開発して提供するなどエネルギー管理システム(EMS)の支援業務も守備範囲とする。一般社団法人環境共創イニシアチブが認定する「エネマネ事業者」であるとともに「ZEBプランナー」の登録企業でもある。同社は高効率HPの提供を通じて、ZEBプランナー各社を支援するメーカーポジションにあるが、施主からの要求次第では、広範な業務に自社で対応できる点を強みとしている。

再エネ熱利用HPの中では、特に地中熱利用システム(GSHP)に対応したHPチラー「ZQH」シリーズや、HPビル用マルチシステム「ZP」シリーズの納入時実績が豊富。谷藤浩二常務は昨年来の事業動向について「当社のHP出荷実績は、GSHPの構成比が大きい。2022年度もGSHPの導入案件に携わる機会に恵まれた。主に空調用途での需要が中心だが、一部の案件では空調・給湯双方の用途で機器を納入した事例もある」と話す。ZEBでのGSHP採用案件も、検討中の引き合い分を含めて、新築や設備改修の双方で確実に増えているという。

また「GSHP全体での引き合いや受注数は環境庁案件が多いものの、この中で民間条件に絞った傾向を分析すると、ZEB関連の話が大半。民間での意識の高まりも感じ取れる」と語る。

昨年から今夏にかけて、同社の顧客となるZEBプランナー経由で新築ZEB向けに納入したGSHPの事例では、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)定義上での100%「ZEB」の案件では、塚田電気工事(宮城県仙台市)の新社屋建築案件で総能力16馬力のGSHPに加え、ゼネラルヒートポンプ工業が開発・商品化した「ZEB制御盤」を納入した。また福島ミドリ安全いわき支店(福島県いわき市)やアイワビルド(福島県相馬市)の社屋新築時の100%「ZEB」案件では、GSHPの設計は無かったものの、ゼネラルヒートポンプ工業製のZEB制御盤が採用されるなど、同社はEMS技術でもZEBの実現を支援している。ほかにも「ZEB Ready」の案件では、かるまい交流駅(岩手県九戸郡)に同90馬力、「ZEB Oriented」の案件では、仁愛会浦添総合病院(沖縄県浦添市)に同72馬力のGSHPを納入した実績などがある。

建築業界では低酸素かから脱炭素化への意識が高まる中、主力のHP開発では「設計事務所の設計士の方やZEBプランナーの御取引先の皆さまからは当社に対し、さらなる高効率HPの開発をご期待頂くことが増えた」(谷藤常務)。こうしたニーズに応えるため、ゼネラルヒートポンプ工業は2021年にユニット型高効率水冷式HPチラー「ZQスーパー(ZQS)」を開発、221月に発売した。「ZQS」は従来のHPチラーと本体サイズを同等にとどめながら大容量・高効率を実現し、再エネ熱利用が可能。冷媒にはR410Aを採用した機種と、R410AよりGWP(地球温暖化係数)が大幅に低いR454BGWP466)を採用した機種の2機種をラインアップしている。R454B採用機はゼネラルヒートポンプ工業のHP開発史上で最高効率に達する。同社はZEBでのGSHP採用案件でも昨年来、提案営業を強化中で「今年度からZQSの納入も順次立ち上がっていく」(同)としている。

産業分野分けには、低GWP冷媒のR513AGWP573)の採用で環境負荷を低減し、温水出口温度を80Cに達するまで高温対応を可能にした循環加熱HPを新開発した。同社は今年度に空気熱源方式と水熱源方式の2機種を商品化する方針だ。