地中熱・地下水熱・温泉排湯・空気などの“再生可能エネルギー熱”を熱源としたヒートポンプ製品で「持続可能な社会の実現」を目指します。
2022/12/1
<記事原稿>
業務用ヒートポンプ製造のゼネラルヒートポンプ工業(本社名古屋市中村区名駅2の45の14、柴芳郎社長)は、ヒートポンプの運転データを自動計算し、電気代や二酸化炭素(CO2)排出量の削減効果などを見える化するクラウドサービスを展開する。第一弾として、人工透析を行う病院に納めている「透析熱回収ヒートポンプシステム」向けで提供を始めた。運転データの集計や管理などの手間を省き、業務効率化を図る。環境にやさしいヒートポンプの導入促進にもつなげる。(竹田ゆりこ)
クラウドサービス「ZQクラウド」は、同社製のヒートポンプの運転データをクラウドで自動計算し、インターネットウェブ上で確認できるサービス。従来、表計算ソフトExcelで集計し、用紙に印刷するなどしていた運転データの集計や管理、報告資料の作成などにかかる手間を削減し、業務を効率化する。
ヒートポンプの運用状況をリアルタイムで自動計算し、電気代やCO2の排出量、削減効果をウェブ上に表示。グラフ化することで、一目で分かりやすくした。補助金を申請する際に必要となる資料にも、活用しやすいという。
クラウドサービスはすでに、透析治療で行われる排水熱を利用する「透析熱回収ヒートポンプ」を導入している透析病院向けに、メンテナンス契約の一環として提供を始めた。今後、地中熱を利用したヒートポンプにも適用するなど、提供を広げていきたい考えだ。
ゼネラルヒートポンプ工業は、冷房排熱で給湯を行う排熱回収ヒートポンプ製造の先駆け。地下水や空気、地中熱、温水の排湯などの再生可能エネルギー熱を利用した環境性の高いヒートポンプを開発、製造している。今年1月にはガスの温室効果の度合いを示す「地球温暖化係数(GWP)」を従来よりも78%削減した冷媒(R454B)を使った次世代製品も発売した。
これまでの納入実績は、施設や工場、病院などへ千件以上。同社製のヒートポンプで、名古屋市の面積の17%を森林に変えるのに相当するCO2排出量削減を目指している。柴社長は、「全ヒートポンプにクラウドサービスを活用できれば、データを統合して削減効果を完全に見える化できる。SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを加速し、メンテナンス契約の伸びも期待したい」と話している。