地中熱・地下水熱・温泉排湯・空気などの“再生可能エネルギー熱”を熱源としたヒートポンプ製品で「持続可能な社会の実現」を目指します。
2020/1/7
空調タイムス 2020年1月1日号に弊社の記事が掲載されています。
ー 空調タイムス 2020年1月1日号 ー
ゼネラルヒートポンプ工業(社長=柴芳郎氏、本社・名古屋市中村区名駅2―45―14)のヒートポンプ(HP)製品販売実績が2019年度は総じて堅調に推移している。同社は業務用・産業用のほか、地中熱・地下水熱・温泉熱・空気熱・下水熱等を活用して空調・給湯・工場プロセスの熱利用HPを供給する開発型メーカー。HPの広域販売を通して、省エネルギーと環境保全に貢献する。19年度は特に、医療施設向け透析熱回収HPシステムの販売が増加傾向にある。地中熱利用HP空調システムに使用される地中熱源HPの販売も好調。19年度から新発売した天空熱源HPは発売初年度に導入実績を計上し、次の案件も浮上するなど注目度が上がってきた。これらのHPが実販台数を押し上げていきそうな気運が高まっている。
同社は地元の愛知県が県内の優れたものづくり企業を認定する「愛知ブランド企業」の1社。持ち前の技術開発力を強みに、空調・冷熱業界で愛知発の独自技術を国内外に広く発信している。
業務用HPの展開では、ウォーターテクノカサイ(本社・東京都小金井市)、日機装(本社・東京都渋谷区)と共同開発した医療施設向けの透析熱回収HPシステム「スマートEシステム」の採用実績が伸長し、手応えを得ている。同システムは人工透析治療時の透析排水等を熱源とし、水冷式HPとインバーター技術によって、わずかな排出熱を少ない電力で、より大きな熱エネルギーに増幅させ、その熱をRO装置の原水加温に利用するもの。透析装置全般の大幅な節電に寄与する。18年2月、平成29年度省エネ大賞の製品・ビジネスモデル部門で「省エネルギーセンター会長賞」を受賞している。
柴社長は需要動向について「『省エネ大賞』受賞効果もあってか、初号機が17年に千葉県の東葛クリニック病院に採用され以降、徐々に引き合いが増えている。19年には秋田、山形、千葉などの透析病院で導入実績を計上し、当社の販売計画比2倍のペースで伸長している」と話す。社内でスマートEシステムの営業専任者を擁立し、医療施設関係者向けの提案営業を強化してきたことが奏功。また透析学会でスマートEシステムの熱回収による省エネ効果が発表されたことや、柴社長の著書「医療・介護施設経営者のための水道光熱費を劇的に削減する方法」(幻冬舎刊)を購読した医療施設経営者からの引き合いもあったようだ。現在はRO排水利用に特化した小型製品の開発に着手しているという。
地中熱源HPは地中熱利用HP空調システムの普及が進む北海道、東日本を中心に導入実績が拡大中。西日本では関西地区では大阪府内や兵庫県内の案件に対応した。また19年の営業の中で佐賀県内の公共施設向けにも受注し、新年以降に納入を予定。地中熱利用システムの導入が遅れている九州地区でも実績が計上できそうな状況だ。
19年度に発売した新製品、天空熱源HP「スカイソースヒートポンプ」(SSHP)もZEB関連案件で注目されるようになってきた。地中熱・太陽熱・空気熱を結集した再生可能エネルギー熱複合利用を可能にするもの。、来年度には2件の納入を予定する。現在は顧客要求を受けて「現行品より設置工事面積の小さなユニット製品の開発に着手している」(柴社長)とした。
同社は12月初旬、ZEBプランナーの登録企業となった。これによりZEBの導入計画がある建築主の相談窓口となり、建築設計、設備設計、設計施工、コンサルティング業務の支援にも動く。
空調タイムス社ホームページ http://ac-times.com/